過払い金請求すると、住宅ローンの一括返済を迫られるらしい・・・。
お金が取り戻せても負担額が増えるってこと?
過払い金の請求は住宅ローンに影響しません!
絶対影響しないのかな?気を付けるべきことはある?
過払い金請求は返済中の住宅ローン・自動車ローンには影響がありません。
しかし、特定の条件の下では信用機関に事故情報が記録されてしまう「ブラックリストに掲載」された状態になり過払い金請求後にローンが組みにくくなるので下記2点に注意が必要です。
- 完済した借金の過払い金請求だけをする
- 返済中の借金は過払い金で完済できるものだけにする
取り戻した過払い金で今ある借金を完済できないと、ブラックリストに載ります。しかし、ブラックリストに載っている状態は5年~10年ほどなので、ブラックリストが原因で一生ローンが組めないわけではありません。
この記事では、過払い金請求をした後にローンを組む前に知っておくべきことを詳しくお伝えします。
過払い金請求で注意すべき特定の条件
ローンを組む時に、信用情報機関に登録されている状態(ブラックリストに載っている)かどうかは、大きな問題です。
過払い金の場合、2010年4月19日以降の過払い金請求をしてブラックリストに載ってしまった情報は削除されるようになりました。
そのため、過払い金請求をした後も住宅ローン、自動車ローンなどの各種ローンは問題なく組むことができます。
しかし、特定の条件に当てはまるとブラックリストに載ってしまうので注意すべきです。
返済中の借金が過払い金で完済できない
発生した過払い金は、借金を減額する費用にあてることができます。
しかし、取り戻した過払い金で返済中の借金を完済することができないと、ブラックリストに載ります。
これは過払い金の請求が任意整理になるからで、ブラックリストに載ると、5年間程度は貸金業者からのあらたな借り入れやローンは組めなくなります。
ブラックリストに載らないためにどうしたらいい?
ブラックリストに載らないようにするには、借金が残りいくらかと、発生する過払い金の返還額の正確な算出(引き直し計算)が大切です。
正確に算出しないとブラックリストに載るリスクがあるので、引き直し計算がエクセル•無料の計算ツールで自分でおこなえたとしても、司法書士や弁護士といった専門家に依頼する方が安心です。
素人がやると計算を間違えて過払い金の請求に失敗する可能性があります!
クレジットカードのショッピング支払いが残っている
クレジットカードのショッピング枠は、クレジットカード会社が一時的に立て替えている「立替金」のため、過払い金の請求対象とはなりません。
借り入れとされるキャッシング枠は、過払い金の請求対象ですが、ショッピング枠の支払い残高よりも、取り戻した過払い金が少なければやはり任意整理となりブラックリストに載ります。
ブラックリストを回避するために、クレジットカードはショッピング枠の支払うべき残高を減らすようにします。ショッピング枠の支払い残高が、取り戻せる過払い金の金額より少なくなってから過払い金請求をする必要があります。
クレジットカードにはキャッシングとショッピングの2つの機能があるので、注意!
信販会社の自動車ローンを組んでいる
信販会社の中には、自動車ローンをあつかっている会社があります。
例えば、信販会社が扱う自動車ローンを組んでいる場合には、完済したキャッシングで取り戻した過払い金は自動車ローンにあてられます。
過払い金で自動車ローンを完済できなければ、車を信販会社に没収されて、ブラックリストに載ることになります。
過払い金請求をした信販会社ではローンの審査が通りにくくなるので、過払い金請求をした後に自動車ローンを組む場合は、ローンの契約先に注意しましょう。
自動車ローンがある信販会社
オリコ、アプラス、イオン、セディナ、ジャックス、オリックスクレジットといった信販会社に自動車ローンがあります。
保証会社が貸金業者のカードローンを延滞・滞納している
カードローンの保証会社となっている貸金業者は、借主が借金を延滞•遅延したときに代わりに支払う「代位弁済」をします。
保証会社である貸金業者が借主に代わり支払う代位弁済は、保証会社(貸金業者)から借主に請求をされます。
カードローン保証会社と過払い金請求をする貸金業者と同じで、ローンも借り入れも返済中の場合、ローンに影響があることがあります。
合併先の貸金業者から借り入れがある
経営状況が悪化した貸金業者か他の貸金業者と合併することがあります。
合併前後の借り入れは取り戻した過払金に影響するので、取り戻した過払い金が返済中の借金より少ない場合には任意整理として扱われ、ブラックリストに載ることになります。
過払い金請求をする貸金会社がほかの貸金業者と合併しているとローンが組めなくなる恐れがあるので、事前に確認するべきです。
ローンを組むときの審査のポイント
個人信用情報がポイント
住宅ローンや自動車ローンを組むときに、信用情報機関に掲載されている個人信用情報が審査材料として参照されることがほとんどです。
信用情報機関に事故情報が登録されている「ブラックリストに載っている」状態でおこなったローンの申請は審査を通過することがむずかしいです。
ブラックリストに載る不安をいだく前に、まずは自分に「過払い金があるのか」、「借金がどのぐらい減らせるのか」を知っておくべきでしょう。
個人の特定情報もポイント
個人の属性や借入時の年齢が影響してローンの審査に落ちる可能性があります。
ローン契約はさまざまな情報をもとにして審査をして、契約後のローンの返済ができるかどうかを判断しています。
過払い金請求をしても基本的にはブラックリストには載らないので、信用情報がローンの審査に影響することはありません。しかし、住宅ローンや自動車ローンといったローンには、現在の年収・雇用形態・勤務先・勤続年数といった職業に関する内容や、健康状態・家族構成・結婚歴・世帯年収・持ち家の有無といった個人属性も審査対象に含まれることがあります。
ブラックリストに載っていなくてもローンの審査に落ちることはあるので、ブラックリストを不安がらずにまずは過払い金を請求をしてみることをオススメします。
過払い金請求は専門家に相談
過払い金請求は自分ですることもできますが、弁護士や司法書士といった専門家に依頼することで、時間のロスが少なくてすみます。貸金業者によっては専門家以外は相手にしないので交渉終了までに莫大な時間かかかったというのはよくある話です。
自分で過払い金請求をする場合の流れと費用を理解すると、専門家に相談すべきだと確信できます。
貸金業者か信用情報機関へ、借り入れをした日を確認します。
貸金業者から取り寄せる取引履歴は1社あたり1,000円程度かかります。
過払い金の発生金額を知るには引き直し計算が必要です。
インターネットで過払い金の専用計算ソフトもありますが、知識があまりない人が行うと間違うこともあります。
間違った計算で過払い金を請求すると貸金業者に断る理由を与えてしまうので注意が必要です。
ここが落とし穴!
過払い金の計算は自分でやるのは難しいので、計算不備で取り戻し金額0円ということにならないよう、不安な人は専門家にお任せしましょう。
貸金業者に「過払い金返還請求書」と「引き直し計算書」の2種類を内容証明郵便で送ります。内容証明郵便代は1社あたり1,500円程度です。
貸金業者と話し合いをして、よりよい条件で取り戻しができるよう交渉をします。過払い金の請求者が年々増えているので、貸金業者も支払う金額を少しでも減らそうと躍起になっています。言いなりで和解すると過払い金が減ったり返還が遅くなることがあります。
ここが落とし穴!
借金を0円にする和解を貸金業者が持ちかけてきたら注意しましょう。高確率で高額な過払い金が発生している可能性があります。
貸金業者と思ったような和解ができない時は裁判となります。裁判をした方がより多くの過払い金を取り戻せることが多いですが、費用が実費でかかります。
過払い金の請求金額が100万円以下なら最大16,600円程度で、請求金額が100万1円~500万円以下なら最大36,600円程度です。
貸金業者から個人が指定した口座に過払い金が入金されます。
専門家に依頼すると裁判(訴訟)をする時に代理人として出席してもらうことが可能なので、仕事を休めないという人こそ専門家に相談すべきです。
弁護士や司法書士はそれぞれに分野が異なります。専門家の中でも過払い金請求に慣れている弁護士や司法書士に依頼しましょう。必要書類の準備から和解、裁判、入金までスムーズに進みます。入金は1週間~10日ほどと自分で請求する時よりもだいぶ早いのがメリットです。