過払い金は借金で払い過ぎた利息のことで、取り戻せる条件を満たす人はそのお金で借金を減額したり、完済したりすることができます。
Sさん(38歳女性)は会社員です。
Sさんが過払い金請求で借金を完済した体験談を紹介します。
Sさんの借金完済体験談
私は大学時代、授業料や生活費のために学生ローンを組んでいました。卒業する頃には、たくさんの借金ができてしまいました。
社会人になった数年後、家族にバレないように整形手術を受けると、さらに借金が膨らんでしまいました。恥ずかしかったのですが、何とかしなければと思いました。そこで、弁護士に依頼して、いくつかの消費者金融とクレジットカード会社から過払い金を請求することにしたのです。
過払い金請求を、はじめは借金をしているのにお金をもらうなんてダメなことなのではないかと思いました。しかし、弁護士の先生が「過払い金は払い過ぎた利息なのでSさんが気に病む必要はありません。国が認める手続きですよ」と説明してくださり、ほっとしました。私は借りていた会社の請求書を確認し、名前とおおまかな費用をお伝えするくらいであとの手続きはすべて弁護士の先生にお任せでした。弁護士の先生が消費者金融やクレジットカード会社と交渉して、取り戻せるお金は満額取り戻してくれました!しかも利息付きで取り戻せたので、残りの借金が完済できるほどの金額になり本当に感謝しています。
弁護士の先生と何度かお会いするのは、正直緊張しましたし少し面倒ではありましたが、最終的にはその甲斐がありました。今は毎月返済に回していた分のお金を数か月分貯めて国内のあちこちを旅行しています。
過払い金とは
過払い金とは、払い過ぎた利息のことです。過払い金は2010年より前に貸金業者から借り入れしている人なら完済済みでも発生している可能性があります。
006年に利息制限法(上限を超えた金利は無効とするという法律)の改正が決まると、2007年にはアコムやプロミスといったよく知られる消費者金融・クレジットカード会社は金利を改訂しました。
2010年6月に利息制限法が施行されると、ギリギリまで高金利で貸付していた会社も金利を下げざるをえなくなりました。
貸金業者の対応速度によって過払い金の発生の有り無しは変わりますが、ひとつの目安として2010年より前に貸金業者へ借金をしている」人は過払い金があるか確認してみるべきです。
実際に過払い金を請求するときは個人でやると十分な過払い金が取り戻せないことがあるので、過払い金請求は弁護士や司法書士といった専門家にお願いすべきものだと思っておくと手続きがスムーズです。
過払い金請求のメリット
過払い金請求の一番のメリットは、請求をすることでもしかしたらお金が戻って来るかもしれないということです。
借金をなくす・減らすことが可能
2010年より前にお金の借り入れをしている場合には過払い金請求をすることで借金をなくしたり減らしたりすることができます。
過払い金請求をしても借金をなくせないという人は、任意整理という債務整理方法がおすすめです。
生活のたしになる
過払い金は借金が少額でも、違法な金利で貸し付けられていたら不当に支払った利息があるので、思いがけない副収入が手に入ります。少額でもあれば生活を楽にするきっかけにできるかもしれないので、まずは過払い金があるか試してみるとよいでしょう。
過払い金請求のデメリット
過払い金請求のデメリットは、信用情報金に過払い金請求をしたという事故情報が載るいわゆる「ブラックリストに載った」状態になることです。
ブラックリストに載ることの影響は2つあり、それ以外も合わせると主に3つのデメリットがあります。
クレジットカードが使えない
過払い金請求をおこなうと、ブラックリストに載ったことが信用情報機関からクレジットカード会社に伝わることがあります。そうすると今持っているクレジットカードは利用できなくなります。
クレジットカードが作れなくなる
年~最大10年くらい経つと信用情報機関の情報から事故情報が消えてクレジットカードが使えるようになります。
しかし、社内ブラックリストを独自で持っているクレジットカードは、過払い金請求をした資金業者の新しいクレジットカードが作りにくくなります。
過払い金請求後にクレジットカードを作る時は、過払い金請求をした貸金業者は避けておこなうようにしましょう。
生活保護を受けられなくなることがある
生活保護を受けている人が過払い金請求をした場合、国が認める最低生活費以上に過払い金が戻ってくると生活保護が受けられなくなることがあります。
過払い金が収益源とみなされて生活保護の対象から外れてしまうからですが、最低生活費以上のお金を市役所に戻せるのなら生活保護は引き続き受けられます。
過払い金にプラス5%の利息を請求できる
過払い金の利息は、2007年2月の最高裁判所の判決により5%となりました。利息制限法は借主を守る目的で作られて、過払い金に営利性はないからです。
しかし、利息5%付きで回収するためには、貸金業者が「悪意の受益者」であることを証明しなくてはいけません。
悪意の受益者は、過払い金が発生することを知っていながら利息を得ていた貸金業者をさし、ほとんどが悪意の受益者だとされています。しかし、過払い金請求をする債務者も増えているため、貸金業者の経営状況によっては利息を請求してもかなわらないことがあります。
過払い金の利息を取り戻す方法
裁判で取り戻す
過払い金に5%の利息を付けて取り戻す方法には、裁判を起こす必要があります。
貸金業者との話し合いではほぼ解決しないので、裁判を起こして利息付きの過払い金を請求することができます。
しかし、裁判には多くの手間や時間がかかり、過払い金の知識がないと貸金業者に断られたり言いくるめられたりします。過払い金、中でも利息付きで取り戻すには弁護士や司法書士といった専門家に依頼するようにしましょう。
専門家に依頼をすれば事前の書類の準備から貸金業者との交渉や裁判までスムーズに過払い金を取り戻すことができます。
過払い金の計算の仕方
過払い金を請求するために、まずは貸金業者から借入金額•返済金額•金利といった取引履歴を取り寄せることが必要です。
取引履歴をとり寄せたら、利息制限法にしたがって過払い金の金額を算出する引き直し計算をしなくてはいけません。
引き直し計算ソフトはインターネット上で公開されていますが、簡易的なソフトで過払い金額を算出するのは困難です。
返済が遅れていた場合には、遅延損害金も合わせて利息を計算します。誤った金額を算出してしまうと、過払い金の返還がされない可能性が出てしまうので、注意しなくてはいけません。
払い金請求は正当な権利なので基本的にデメリットがありませんが、時間が経つことで時効が成立してしまったり、貸金業者の経営悪化によって回収できなくなる可能性があります。
過払い金とは、貸金業者に対して払いすぎた利息のことです。過払い金があるかどうかの確認や過払い金の交渉は、依頼者と交渉事務所が貸金業者に対して行うものです。貸金業者は依頼者と交渉事務所に対して過払い金を返還しなくてはいけません。以下の項目をもとに、どのように過払い金を回収するか、その時の心境も含めて200字以上で想定したストーリーを作成してください。
専門家に依頼せず過払い金請求をするリスク
過払い金請求は自分でもできますが、弁護士や司法書士といった専門家にお願いしないと思いがけないリスクが発生します。
たいへんな過払い金の引き直し計算
過払い金請求をするときは、お金を借りた時の金利と現在の法律に沿った金利を見比べて払い過ぎている利息の金額を計算する「引き直し計算」をします。
過払い金の計算はどんぶり勘定では許されません。貸金業者や信用情報機関から借金の取引履歴を取り寄せて、正確な計算をしないと貸金業者との交渉で不利になります。最悪の場合は裁判をおこなったのに訴えが退けられて過払い金が1円も戻ってこないということにすらなりかねません。
裁判のときは仕事を休む必要がある
過払い金請求の解決は、貸金業者との和解か、裁判をして満額に近い過払い金を取り戻すかの2択です。
和解をすると裁判費用はかかりませんが、貸金業者が優位に立って交渉してくることになるので、本当なら取り戻せた過払い金の30%程度となることが多いです。
満額の取り戻しを目指す人には裁判が必要ですが、裁判は平日の日中におこなわれるのでほとんどの人が仕事を休む必要があります。
出廷したら自分の主張がどうやったら通るのか考え裁判所に提出する資料を作ったり、実際に法廷で主張をするよう求められます。
過払い金請求ができない業者がある
過払い金請求は、すべての貸金業者でできるわけではありません。取引履歴を取り寄せようとしたら連絡がつかないということも起こっています。
繰り返し粘り強く連絡して取引履歴を手に入れても、その後の交渉で連絡がとれなくなったり担当者が決まらないままならかならいの根気強さが求められます。
交渉が不利益になる
過払い金請求の解決方法には「和解「か「裁判で争う」かの2種類となります。
和解では貸金業者に有利な方法になることが多いですし、過払い金請求をするためにかけた時間と比べると、裁判をおこしたとして戻るお金は期待しているような金額にはならない可能性が高いです。
専門家に過払い金請求をお願いすべき理由
手続きをほぼすべて代行してくれる
弁護士や司法書士といった専門家に過払い金請求をお願いすると、過払い金の発生金額を調べる「引き直し計算」や過払い金請求をするたために必要な書類の作成、貸金業者との交渉、裁判の代理出廷といったほぼすべての手続きに対応してくれます。
貸金業者も、専門家が過払い金請求をおこなうとなれば債務者(あなた)にとって不当な交渉や必要な連絡を怠るといったことがなくなり、過払い金請求がスムーズに進みます。
過払い金を多く取り戻せる
専門家が貸金業者と交渉をおこなうことで、多くの過払い金が戻ってくる可能性が高まります。
専門家に過払い金請求を依頼すると費用がかかりますが、戻って来る金額が個人が交渉するより多くなることがほとんどです。自分で過払い金を取り戻すよりも、専門家にお願いした方がお金が多めに残ることがほとんどです。